WPサスペンション社とは・・・
WPサスペンション(WP Suspension ) は、1977年にオランダで創業され、現在はオーストリアに本社を持つ部品メーカー。現在はKTMと同じグループ企業で、主に二輪車の高性能懸架装置(サスペンション)部品の開発・製造を行なっている。
1975年初頭、WPサスペンション社創設者のヴィム・ピータース(国際A級相当のMXライダー)はジャンプ練習中、
着地に失敗し激しいクラッシュに見舞われ重傷を負いました。彼はこのクラッシュについてサスペンションの性能が
十分でなかったことが一因と考えました。
怪我からの12ヶ月に及ぶリハビリ中、彼は小さなガレージで愛車のサスペンションの研究、改良に殆どの時間を費やしました。
その甲斐あって彼の研究結果はレース復帰後、彼のレースリザルトに大きな成果をもたらしMXライダーの中で強い関心を
集めるようになりました。”WP”ショックを使用し、成功を収めたライダーの一人に当時のオランダMX界の
英雄G.ウォルシンクもいました。噂を聞きつけた多くのMXライダー(D.ストライボス、H.キニガードナー、Jバンデンバーグ他)が
それに続きました。それらの成功を基に、個人レベルのサスチューニングショップから“リアルビジネス”に移行するのに時間は
必要ありませんでした。
1977年後半に正式にWPサスペンション社として設立された後、高性能ショックアブソーバーの装着によって
モーターサイクルの操縦性、安全性、快適性などは大幅に改良が可能であるということを証明しました。
設立後は更に様々なレーシングフィールドに於ける研究開発に没頭し、結果マーケットをリードする
幅広いモデルレンジの高性能ショックアブソーバーを提供し続けています。
WPショックの特徴でもある白いスプリングは、知り合いの業者に錆防止のためのスプリング塗装を依頼したところ、
たまたま医療機器専門の分野であったため、白しか塗料がなかったことが奇しくも”ホワイトパワー”というブランドを生むことになり
現在では完全にWPショックのアイデンティティとして確立されました。
(しかし政治的な理由によりホワイトパワーというブランド名は1991年からは使用しておりません。)
販売当初よりそのサスペンションの品質と性能は、理想的な基本構造、最適な材料、優れたベースセッティングによって
マーケットで突出しており、世界中の多くのユーザーが様々な国際レベルのレースカテゴリーで成功を手にしています。
その結果WPブランドは世界中で知られる存在になり今日に至ります。
たゆまぬ技術革新とレーシングチームを含むユーザーサイドにたった製品開発で様々なデータを蓄積、それはOEM
(BMWやKTMの純正パーツ)そしてアフターマーケットの全ての製品に生かされています。
1999年かつてから協力関係にあり、サスペンションの供給先でもあったKTM社がWP社を傘下に収めることで
WP社は劇的に進化しました。現在は3度にわたる工場増築、移転を経て名実ともにヨーロッパ最大級のモーターサイクル用
サスペンションサプライヤーとなっています。
(現在はKTM社の傘下ではなく同じオーナーによるグループ企業の一員となっています)
オーストリアのムンダーフィングに設立された1200平方メートルの広大で最新鋭の設備を誇るファクトリーは
そのシンボルでもあります。
WP社製品はその本拠をオランダからオーストリアに移行する歴史の中で様々なジャンルで多くの世界タイトルを獲得し、
その総数は200を優に超えています。そしてその中には.Mシューマッハ(F-1)やV.ロッシ(GP125)など世界でも
最も有名なレーサーといわれるビッグネームも含まれています。
現在WP社がファクトリー及び準ファクトリーとして関わるカテゴリーはmotogp、moto2、moto3、WSSP600,
世界GPMX、AMA SX、AMA national MX、エンデューロ世界選手権、スーパーエンデューロ世界選手権及び
ダカールラリーとトップカテゴリーかつ非常に多岐にわたります。
それらの多くのレース活動を研究開発の場とし、ダイレクトなフィードバックを受け、さらにその技術をストリートに転用し、
アフターマーケットとOEM双方で最高品質のリアショックやフロントフォーク、ステアリングダンパーを開発、供給し続けます。
また最近ではサスペンション関連にとどまらず、開発生産の場をバイクのフレーム、スイングアーム、ラジエター、
エキゾーストシステムと拡げKTM社を中心に多くのバイクメーカーに様々なパーツを供給する総合メーカーとなっています。